大人のための、学びに関する情報発信ブログ
カフェの窓辺で手帳にスケッチをする人の手元

スケッチを始めてみたら、見慣れた景色が変わった話

カフェの窓辺で手帳にスケッチをする人の手元

「絵心がないから、自分には縁がない」

そんなふうに、絵を描くことを遠ざけてきた方は少なくないと思います。

先週、知人がスケッチブックを持ち歩くようになったと話してくれました。

雨上がりの土曜、まだ路面が濡れている時間に、駅前のベンチで小さな帳面を広げていたそうです。

描いていたのは、傘立てに残された一本の傘。

上手いとか下手とか、そういう話ではないのだと、その横顔は静かに語っていました。

 

 

 

スケッチは見ることから始まる

 

カフェの窓辺で手帳にスケッチをする人の手元

 

スケッチと聞くと、まず画材をそろえる場面を思い浮かべるかもしれません。

けれど本当に大切なのは、描く前にじっと対象を見つめる時間でした。

線の上手さよりも、その日に何を見つけられたかを考えてみましょう。

 

ペン一本から始められる

 

道具は驚くほど少なくて構いません。

手帳の隅と、いつも鞄に入っているボールペン。

それだけで、スケッチは今日から始められます。

消しゴムを持たない、という選び方もあるでしょう。

消せないからこそ一本の線に気持ちが乗ると、続けている人はよく口にします。

 

描けないのではなく、見ていないだけ

 

絵が苦手だと感じる理由の多くは、技術ではないように思います。

対象をよく見ないまま、頭の中の記憶だけで描こうとする。

たとえばコーヒーカップを描くとき、取っ手の丸みや影の落ち方を、私たちは案外見ていません。

ある入門講座では、最初の10分をひたすら観察だけに使うそうです。

鉛筆を持たず、ただ眺める時間を取る。

見る → 描く、という順番を取り戻すだけで、線は驚くほど素直になります。

 

上手に描こうとしないと決める

 

木のテーブルに開かれたスケッチブックとペン

 

続かない一番の原因は、上手に描こうとしすぎることかもしれません。

完成度を求めた瞬間に、筆が止まってしまいます。

そこから自由になるための、ささやかな考え方をお伝えします。

 

下手でいいという許可

 

絵を描く手が止まるとき、たいてい心の中で誰かに採点されています。

上手いと言われたい、笑われたくない。

その気持ちは、とても自然なものです。

ただ、スケッチは誰かに見せるための試験ではありません。

「下手でいい」

そう自分に許可を出した瞬間から、不思議と手が動き始めるという声をよく耳にします。

 

完成させなくてもいい

 

すべてを描き切る必要もありません。

輪郭だけ、影だけ、気になった一部分だけ。

途中でやめてもいいと思えると、ずいぶん気持ちが軽くなります。

まず気負いを解いてから鉛筆を握る。

未完成のページが増えていくこと自体が、続けている証になりますよ。

 

ポイント

上手さを目標にせず、見た時間そのものを楽しむと、スケッチはぐっと続けやすくなります。

 

暮らしの中に描く時間を置く

 

屋外で街並みをスケッチしている人の様子

 

趣味が続くかどうかは、意志の強さよりも仕組みで決まる気がします。

描く時間を、生活の中にそっと置いておく。

そのための小さな工夫を考えてみましょう。

 

五分という単位で十分

 

まとまった時間を取ろうとすると、かえって始められません。

朝の珈琲を待つ五分、電車を待つホームでの数分。

その短い時間に、目の前のものを一つだけ描いてみるのです。

知人の佳代さんは、毎朝の出勤前に窓辺の植木鉢を一つ描くことを続けているそうです。

三か月ほどで、帳面が小さな庭の記録のようになったと笑っていました。

 

描いた景色は記憶に残る

 

写真と違い、スケッチは時間をかけて対象を見つめます。

その分、描いた風景は驚くほど深く記憶に残ります。

旅先で撮った写真の多くは忘れても、下手なりに描いた一枚は、その日の空気ごと思い出せるものです。

正直に言うと、私自身もまだ線に自信があるわけではありません。

とはいえ、見慣れた通りが少しずつ違って見えてくる感覚は、何にも代えがたいものでした。

 

最後に

 

朝の光が差すベンチに置かれたスケッチブック

 

スケッチは、特別な才能がなくても始められる趣味です。

必要なのは、上手さではなく、見ようとする静かな気持ちだけでした。

 

  • 道具はペン一本と紙切れから始められる
  • 上手に描こうとせず、見た時間そのものを楽しむ
  • 五分の積み重ねが、見慣れた景色を変えていく

 

本音塾長
下手でいいと決めた人から、世界の見え方が静かに変わっていきます。

 

今日の帰り道、目に留まった景色を一つだけ描いてみてください。

 

>