「ITに弱いまま、今の会社を続けていいのか不安です」
先日、知人のKさんから届いたメッセージにそんな一文がありました。
事務職3年目の彼女は、会議で飛び交うDXやクラウドという言葉が、半分も理解できないと言います。
私もかつて、同じような気まずさを抱えた経験があります。
そんなときに出会ったのが、ITパスポートという国家試験でした。
実際に挑戦してみたら、思った以上に景色が変わりました。
今日はその学び直しの記録を、少しだけお話ししたいと思います。
会議室での小さな違和感

ITパスポートを受けようと決めたきっかけは、特別なものではありませんでした。
ある日の会議で、自分だけが話についていけていないと気づいた瞬間からです。
「分かったふり」が増えていた
会議室で、上司が
「クラウド移行のロードマップ」
という言葉を使いました。
周囲は当たり前のように頷いていて、私だけ意味を半分しか掴めずにいたのです。
その日の帰り道、不思議と落ち込みました。
知らないことを知らないままにしておく時間が、長くなりすぎていたのかもしれません。
ポイント
分からない言葉を放置すると、自分の意見を発する勇気もすり減っていきます。
学び直しは知識を増やす行為であると同時に、発言する力を取り戻す作業でもあります。
国家試験という看板が背中を押した
独学だけだと、どこまで学べば足りるのかが見えませんでした。
その点、ITパスポートは経済産業省所管の国家試験で、ゴールが明確です。
合格率はおよそ50%前後と公表されており、社会人にとって現実的な目標になります。
(出典:独立行政法人情報処理推進機構「情報処理技術者試験 統計資料」https://www.ipa.go.jp/shiken/toukei/index.html)
受験料も7,500円と、手の届く範囲でした。
学んで見えてきた意外な景色

勉強を始めて2週間ほどで、いくつかの気づきがありました。
テキストを開くたびに、仕事の延長線上で考えられる項目が次々と出てきます。
知識と日常がつながり始める感覚は、学び直しの面白さのひとつです。
範囲はIT「だけ」ではなかった
ITパスポートと聞くと、技術寄りの試験を想像する方が多いかもしれません。
実際に開いてみると、出題範囲はストラテジ・マネジメント・テクノロジの3分野に分かれています。
経営戦略や法務、プロジェクト管理まで含まれていて、半分以上はビジネス全般の話でした。
「これはIT試験というより、現代のビジネス教養なのかもしれない」
そう感じたのが、最初の意外な気づきです。
夜45分の机を、平日続けてみた
仕事帰りの夜、机に向かう時間を毎日45分だけ確保しました。
休日は2時間ほど、参考書と過去問を行き来します。
登山に例えるなら、頂上を見上げるのではなく、一歩先の足元だけを見て進む感覚でしょうか。
毎日の進捗は小さくても、3週目には用語のつながりが見え始めました。
ポイント
学習は「分野横断 → 苦手の特定 → 集中対策」の順番で進めると効率的です。
最初から完璧を目指さず、まずは全分野に一通り触れる時間を作りましょう。
正直、退屈な単元もありました
すべての単元が面白かったかと言えば、そうではありません。
正直に言うと、暗記が中心になる法律や規格の章は、何度もページを閉じたくなりました。
とはいえ、退屈な部分を飛ばさなかったのが、後で効いてきます。
苦手な分野ほど、本番で点を落としやすいからです。
合格して変わった日常の景色

受験を終えて数日後、結果は無事に合格でした。
合格そのものよりも、その後の日常の見え方が変わったことが、大きな収穫だったと思います。
会議の言葉が翻訳できるようになる
合格後、最初に感じた変化は会議の景色でした。
以前は意味の分からなかった
「アジャイル」
や
「KPI」
が、文脈の中で理解できるようになっています。
発言できる場面も、少しずつ増えました。
「知識は装飾ではなく、発言の足場になる」
そう実感した瞬間です。
ポイント
合格はゴールではなく、学習習慣を手に入れたという証明書のようなものです。
試験勉強を通して身についた「45分集中する力」は、別の挑戦にも応用できます。
挫折しかけた日もあった
もちろん、毎日が順調だったわけではありません。
仕事が忙しい週は、机に向かうこと自体を一度やめたくなりました。
そんなときに支えになったのは、SNSで同じ試験を目指す方々の投稿です。
顔の見えない仲間の存在が、夜45分の机に戻る理由をくれました。
最後に、これから挑戦する方へ

ITパスポートは、IT職を目指す人だけの試験ではありませんでした。
現代のビジネスに通じる共通言語を学べる、社会人の学び直しに合った国家試験だと感じます。
- 会議の言葉が分からないという違和感は、行動のサインになる
- 出題範囲はビジネス全般。ITが苦手な方でも入り口は広い
- 合格そのものより、学習習慣が日常の資産になる
少しでも気になった方は、まず公式サイトでサンプル問題を眺めてみてください。